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ネコたたきゲームを使ったスクラッチワークショップ

阿部 和広
abee at squeakland dot jp

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この文書はCC BY-SA 3.0にしたがって公開する。

ネコたたきゲームワークショップとは?

プログラミングソフト「スクラッチ(Scratch)」を使い、自分でプログラムを組んで、モグラたたきゲームを作るワークショップ。この文書はワークショップを進行するファシリテーター向けに書かれている。このワークショップは初心者を対象に最短で30分、発展を入れて2時間くらいまで対応する。

スクラッチのインストールと起動

以下からプラットフォームに合わせて適切なファイルをダウンロードし、インストールする。
インストール後、デスクトップ(あるいはドック)のネコのアイコン(Scratch)をダブルクリックすると起動する。終了するときは「ファイル」メニューの「終了」を選ぶ。

用語

スプライトキャラクター(役者)となるオブジェクト
カテゴリーブロック(命令)の分類
ステージスプライトがスクリプトにしたがって動く舞台
ブロックパレット選択されたカテゴリーのブロック一覧
スクリプトエリアスクリプト(スプライトの台本。プログラム)を組み立てる場所

かんたんなプログラミング  

  1. 全員の状態を一致させるため、ウィンドウの一番上の左の方にある「ファイル」メニューから「新規」を選ぶ(これに限らず、「ここ」「そこ」などの指示代名詞は使わない)。スクラッチの起動直後なら省略可能。保存確認のダイアログが出たら「いいえ」を選ぶ(どうしても保存したい子は個別対応)。ファシリテーターは初期画面(「動き」カテゴリーが選ばれ、スクリプトが空で、ステージの中央にネコがいる状態)になっていることを確認する。
  2. スプライト(ネコ)への最初の命令として、左のブロックがたくさん並んでいるところ(ブロックパレット)から青色の「10歩動かす」のブロックをクリック。
    ステージのネコを観察して、どこが変わったかを子供に聞く(ちょっと右に動いた)。
    ネコの1歩は1ドットに等しい(必要に応じてドットの意味も説明。プロジェクタ-ならドットを目視できるので、実際に見させても良い)。クリックするたびに10ドット右に進む。
    ネコが画面からはみ出すまで何度もクリックさせる(ポイントはわざと面倒な事をさせること)。
    見えなくなったら、ネコの尻尾をマウスでドラッグして、ステージの中央に戻す。
    ファシリテーターは、子供たちをよく観察して、この時点でドラッグ、クリックが難しそうな子をサポート(その場合もなるべく手出しはせず、説明してその子にやらせる)。
  3. これでも動かせるけど、指が疲れるので、ネコが勝手に動くようにしたい。そこで、「プログラム」を作る。 プログラムは命令を順番に並べたもの。スクリプトと同じ意味。
    そのためには、「10歩動かす」のブロックをドラッグして、画面の真ん中(スクリプトエリア)の灰色のところ(スクリプトエリア)に持ってくる。これだけでは、まだなにも変わらない。ブロックをクリックすると動くだけ。
    つぎに、「制御」(左上から右に2番目、オレンジ色)をクリックし、「ずっと」のブロックを真ん中(スクリプトエリア)にドラッグし、「10歩動かす」のブロックをはさむ(近づけるとC字型の口の部分が開く)。
    「ずっと」をクリックすると、ネコが勝手に動いて画面からいなくなる。尻尾をドラッグして戻しても、またすぐに動き出す。
    動きを止めるには画面右上の赤い八角形のボタン(赤信号)をクリックする。ネコが止まったらドラッグして、ステージの中央に戻す。これで最初のプログラムができた(さきほどの手動操作と対比させる)。
    ファシリテーターはそれぞれのステップで子供たちの足並みが揃っているかを常に確認し、遅れていたら適宜サポート。
  4. 赤信号が止まれなら、その隣の緑の旗のボタンをクリックすると動きそうだけど、動かない。
    これを動かすには、「緑の旗がクリックされたとき」ブロックを「ずっと」の上に付ける。ブロックをドラッグして近づけると、白いハイライトが表示されるので、そこで離すと合体する。
    これで緑の旗をクリックすると動き、赤信号をクリックすると止まるようになる。
  5. 今度は、行きっぱなしのネコが自動的に戻ってくるようにしたい。そのためには、「動き」カテゴリーの「もし端についたら、跳ね返る」ブロックを「ずっと」の中、「10歩動かす」の下に入れる。
    緑の旗をクリックするとネコがステージを左右に往復する。
    このとき、ネコが右から左に進むとき、ひっくり返るのが変なので、画面中央の上、小さなネコのアイコンの左にある「↔」(左右に反転するだけ)ボタンをクリックする。
  6. よく見ると、ネコの足が動いていない。これを動くようにしたい。
    まず、赤信号をクリックして動きを止める。
    画面中央、スクリプトエリアの上に「コスチューム」というタブがある。これをクリックするとスクリプトエリアが切り替わり、ネコの絵が2枚表示される。これがネコの衣装(コスチューム)。絵のアイコンをクリックすると、ステージのネコの絵が切り替わる。この切り替えを高速で行えば、パラパラマンガのように、足が動いて見えるのではないか。
    カテゴリーを「見た目」(左の上から2段目。紫色)に切り替え、「次のコスチュームにする」ブロックをクリックしてみる。すると、ネコの絵が切り替わる。つまり、このブロックをスクリプトの「ずっと」のなかに入れれば、動いて見えるはず。「次のコスチュームにする」を画面の真ん中(スクリプトエリア)にドラッグして、「ずっと」の中、「もし端についたら、跳ね返る」の下に付ける。
    緑の旗をクリックすると足を動かしながらネコが動き始める。
  7. しかし、足の動きが速すぎる。これをもう少しゆっくりにしたい。
    「制御」カテゴリーに切り替えて、「1秒待つ」ブロックを画面の真ん中(スクリプトエリア)にドラッグして、「ずっと」の中、「次のコスチュームにする」の下に付ける。
    緑の旗をクリックすると足を動かしながらネコが動き始める。しかし、今度は遅すぎる(10歩が1秒)。
    これをちょうどよい速さにするには、「1秒待つ」の「1」をもっと小さくすれば良い。それには、「1」をクリックして(文字の背景が空色に変わる)、キーボードから新しい数値を入力する。たとえば、「0.3」(全角半角の切り替えに注意。小数を知っているかどうかも確認)。入力し終わったら必ず、Enterキーを押す。これでよくなった。

ねこたたきゲームのつくり方  

  1. 前準備として、「かんたんなプログラミング」で作ったスクリプトからいらないブロックを外す。具体的には、「ずっと」の中の「10歩動かす」をドラッグすると、それ以下のブロックが全部外れるので、ブロックパレットに戻す。つまり、「緑の旗がクリックされたとき」と「ずっと」だけが残っている状態になる。
  2. 今回はモグラたたきのルールで今回はネコをたたく(モグラたたきを知っているかどうか確認。知らなければ説明)。このゲームではネコが表示されたり、隠れたりする。表示されているときに、ネコをたたく(クリックする)と成功、外すと失敗になる。まず、ネコを隠す仕組みから作る。
    カテゴリーを「見た目」に変え、「隠す」ブロック(スクロールして下の方にある)をクリックするとネコが消える。「表示する」ブロックをクリックするとネコが表示される。まず、「隠す」をドラッグして、「ずっと」の中に入れてみる。緑の旗をクリックすると、当然ネコは消えたままになる。
    続いて、「表示する」ブロックを「隠す」の下に入れると、今度は高速に点滅する。
  3. これでは、ゲームにならないので、もっとゆっくりにするため、「制御」カテゴリーの「1秒待つ」ブロックを使う。このブロックを「隠す」と「表示する」の間に入れると、一瞬だけ表示され、すぐ消える。「1秒待つ」を「表示する」の下にもうひとつ入れると1秒置きに点滅を繰り返す。
  4. これだと、出現の予想がついてしまうので、不規則に点滅するようにしたい。そのためにはサイコロを振って、その数の分だけ待つようにすればよい。このような仕組みを乱数と言う。
    「演算」カテゴリーに切り替え(右の下から2番目。黄緑色)、「1から10までの乱数」ブロックを、「隠す」と「表示する」の間にある「1秒待つ」の「1」の上にドラッグする(白枠が出たら離す)。
    これで、いつネコが表示されるかわからなくなった。
    ネコが表示されたタイミングを見計らって、赤信号で止める。
  5. 次にネコをたたくと鳴くようにする。「音」カテゴリーに切り替え(左の上から3番目。ピンク)、「ニャーの音を鳴らす」ブロックをクリックしてみる。すると、ネコがニャーと鳴く。このブロックを真ん中にドラッグする(他のブロックにはつなげない)。
    ネコをたたいた時に鳴くようにするには、「制御」カテゴリーの「スプライト1がクリックされたとき」ブロックを使う。「スプライト1」はこのネコの名前だ。
    このブロックを「ニャーの音を鳴らす」の上に付けると、ステージのネコをクリックすることで鳴く。
  6. これでスクリプトは完成した。しかし、ネコが1匹では面白くないので、ネコを増やしてみる。
    まず、ネコをドラッグしてステージの左上に動かす。ステージの左上にあるスタンプボタンをクリックすると、カーソルがスタンプの形に変わるので、これでネコをクリックするとコピーができる。コピーされたネコはステージ上の適当な場所に配置する。これを繰り返して、ネコを6匹くらいにする(シフトキーを押しながらスタンプすると連続コピーできるがここでは教えない。必ず大量にコピーする子がいて収拾がつけにくくなる)。
  7. このゲームで遊ぶには、ステージを全画面にするとよい(そうしないとスプライトのクリックイベントを正しく拾ってくれない)。それにはステージの右上にあるスクリーンのボタンをクリックする(発表モード)。この状態で緑の旗をクリックするとゲームがスタートする。発表モードを抜けるには、左上の曲がった矢印のボタンをクリックする。
  8. この後、時間が余れば、ネコの絵を描きかえたり(コスチュームタブのペイントボタン)、失敗した時の音を入れたり(音タブの録音や読み込みボタン)、スコアやタイマーを追加したりする(「変数」カテゴリー)。

作品の共有

  1. 完成した作品をインターネットで共有し、ブラウザーから遊べるようにする。ファシリテーターは事前に参加者全員で共有するアカウントを作成しておき、ログイン名とパスワードを掲示するかプリントで配布する。
    「共有」メニューの「ネットワーク上でこのプロジェクトを共有…」を選ぶと、ダイアログが表示されるので、示したログイン名とパスワード通り入力する。
  2. アップロード成功のダイアログが表示されたらOKボタンを押さずに青字の「scratch.mit.edu」のリンクをクリックする。
    失敗のダイアログが表示されたら、打ち間違いに気をつけて、再度1を行う。
    「OK」ボタンを押してダイアログを閉じてしまったときは、「共有メニュー」から「ScratchのWebサイトを開く」を選ぶ。
    ブラウザーが開くので、ログインをクリックして、上記のユーザー名とパスワードを入力する。
    作品のサムネイルから自分の作品(ニックネーム)を探して、クリックで開く(2ページ目以降にある場合もある)。自分の作品だけでなく、他の子の作品でも遊ぶように促す。
    自宅や学校などでも、この方法で作品を開くことができる。
  3. スクラッチで再度変更する場合は、「プロジェクトのダウンロード」の作品名(ニックネーム)のリンクをクリックし、ファイルをダウンロードする。このファイルをスクラッチから開くと編集可能になる。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 3.0 非移植 ライセンスの下に提供されています。